交換留学生・SIDE-A:プロローグ


ええと、連載第2弾「交換留学生」のプロローグです・・・

SIDE-AとSIDE-Bを書くつもりです。

とりあえずSIDE-Aから書いていきます・・

まぁ予告編的な奴です・・・


交換留学生・SIDE-A:プロローグ



時は宇宙暦7130年。

太陽系連合議会でタイムトラベルの民間開放が決議された、まさにその年である。

500年後からの来訪者は、突然やってきた。





火星国際大学の学長室に、今、一人の男が入ってきた。

連合議会の時務大臣である。

タイムトラベルが可能になってから、

各時間での調整、連絡を担当する省が創設された。

それが「時務省」で、そこの大臣が時務大臣である



「学長、お久しぶりです。」

そういうと学長が返事をする前に、学長室内のソファーに腰掛けた。

「ああ、久しぶりだな。今日は何の用かな?」

学長がそういったのを聞くと、大臣は学長の方へ向き直り、

「それがですねぇ、学長。今から500年後の政府から、交換留学を申し込まれまして。

何でも、タイムトラベル民間開放500年記念事業だそうで。」

「ほう、で、私に何をしろと?」

「決まってるじゃないですか。太陽系全体でこちらから6人学生を出して欲しいとの事ですから、さしあたって学長に協力をお願いしに来たんですよ。」

「6人か、各大学の規模を考えると、地球中央大から2人、うちから2人、冥天大と木星大から1人ずつ、といったところかな・・・」

学長が思案をめぐらせていると、大臣は

「じゃ、6月20日までに2人、お願いしますね。じゃっ」

といって、足早に消え去った。

「全く、逃げ足だけは速い奴め。今日は6月10日だから10日後に決定だと?無茶を言うな・・・」

そういいながら、学長は教員室へと歩いていった。



次の日、学内の掲示板、放送、通信端末、ありとあらゆる手段で

事の流れと交換留学生の募集要項が告知された。

「へぇ〜っ、うちからは2人出るのかぁ〜っ、新しい出会いがあるかも・・・」

「500年後か・・面白そうだから応募してみる?」

そんな声が聞かれているうちに、募集締め切りの18日になった。

事前選考が開かれるのだ。

今日2人の交換留学生が決定される。





選考会場には10数人の学生が集まっていた。

7130年側の選考試験は語学・歴史・航時理論の3つで、

成績トップ2人が交換留学生となる。

結果はおおかたの予想通り、

成績優秀の原川ニシカズがトップで決定したところまでは良かった。

2位は意外や意外、いつもは平均点の佐山キョウカだった。

「わ〜い、やった〜っ。この日のために3日徹夜したもんね〜っ」

彼女の未来へ行きたい願望は相当のようだ。



すると役人風の選考官が立ち上がって

「おめでとう、では集合は6月20日、火星国際時港に午前7時集合です。遅れないように。」

と行って部屋から出て行った。



7130年6月20日午前7時。

火星国際時港には原川と佐山の他に地球中央大の学生が2人、冥天大の学生と木星大の学生が1人来ていた。

しばしの自己紹介タイム。

「火星中央大の原川ニシカズです。よろしく。」

「同じく、佐山キョウカです。よろしくお願いします。」

「地球中央の井村ミチオです。どうぞよろしく。」

「同じく地球中央の川南キミオです。よろしくです。」

「冥天大の秋川ツキネですっ。・・・よろしく。」

木星大の戸張トウスケです。どうもっ。」



・・・・

「では、皆さん、このメンバーで500年後、宇宙暦7630年6月20日午前7時へと旅立ちます。」

ガイドがそういうと、

6人はガイドに案内されながら航時機に乗った。



しばらく乗っていると、ガイドが

「ただいまより、留学先抽選会を行います。皆様がどの大学に留学するか、このくじで決めます。」

といいながら、

安っぽい使い捨ての箸で作ったようなくじが出てきた。



「じゃらじゃら・・」



原川が冥天大、佐山と秋川が地球中央大、井村が木星大が改組されて出来た木星国際大、

川南と戸張が火星中央大に決定したようである。



そして、それぞれの500年後でのキャンパス・ライフが始まるのだった・・・・