ダブルピーク型のススメ

私も3年間の高校生活を終え、本日無事卒業することができました。
まー、そのー、受験の結果の方は芳しくなく、もう一年という形になることになりそうであります。
(まあ、自分でそれを選んだといえば、選んだという形になるのですが)


さて、様々なご縁がありまして、この3年間いろいろなプロジェクトに携わらせていただきました。
大きいところでは私が旗を振って進めましたFPGAを用いたCPUの設計や、某所でのハイブリッドロケットの開発(本当にお世話になりました)などがありますが、その他大小様々なプロジェクトに参加させていただいて思ったこと、自分で考えたことを少しまとめて書いておこうと思います。

ダブルピーク型とは何ぞや

さて、タイトルにもなっている「ダブルピーク型」ですが、
私が適当に言っているだけで特に何かの用語というわけではありません。
簡単に説明しますと、「得意分野(のグラフの山)が2つある」といったところでしょうか。
得意分野が1つあれば十分でありそれを究めるべきだという意見もありますが、
一つの得意分野を究めて比較的上位に立つというのは非常に大変なことであります。
そこでダブルピーク、というわけです。

組み合わせのお話

当然得意分野と言える以上は多分の努力をして精進を続けなければなりませんが、
1つの得意分野だけを究めるパワーの3分の2くらいのパワーで、
2つの得意分野を「そこそこに」伸ばす、ということです。
科学技術が発展し多様化する現代において、分野と呼べるものはあまた存在するわけです。
そのなかで1つ選ぶ選び方というのも非常に多いとは思いますが、
2つ選ぶ選び方はもっと多いわけです。
つまり、戦略的な面から言えば、他人と2つの得意分野の両方が重複するという可能性は
1つが重複する可能性よりは低いわけですから、完全なる競争相手というのは
減少するはずであり、トータルで見たときの比較的上位を狙いやすくなると思うのです。

インターフェイスになろう

かつてあんまり関係が無いと思われていた生物分野と情報分野が融合して
バイオインフォマティクスというような新分野が開拓されたように、
これからは多様化とともに「融合と創生」がより進行すると私は思っています。
その中でより必要とされる人材というのは、
複数の分野に跨り、リンクさせていくインターフェイス的人材であると思うのです。
2つの得意分野を持つということは、インターフェイス的人材を目指すことにもなると思います。
音楽と情報でもいいですし、機械と化学だっていいでしょう。
そして、先程も言及したように2つの得意分野の両方が重複するということが少ないということは、
特定のインターフェイスの代替品が少ないということになるわけで、比較的安定したポジションを
維持することにもつながると思います。

ダブルピークの難しい点、注意点

当然かもしれませんが、
1つの得意分野だけを究めるパワーの3分の2くらいのパワーで、2つの得意分野を「そこそこに」伸ばす
というのはこれはこれで難しく、ある程度の器用さが要求されると思います。
こんなことを書いている私ですが、実際、高校の3年間はダブルピーク型というより
1つの得意分野にパワーを集中させてしまったなぁ、という感じがします。
まあそんなこともあって、これは私自身の反省でもあります。
そして注意点ですが、その2つの得意分野しか視野を持てない状況に
陥ることも避けねばならないと思います。
できるだけ得意分野への指向性を高くしつつ、裾野は広く、というのが理想であります。
当然プロジェクトに参加する際に自分の担当内容が100%得意分野にマッチするとは限らないわけで、
その時はアンテナを張るつもりだとか、まあ修行である、といった心持ちで
自分の仕事をこなし、余裕があれば周りを見渡してみる、ということができなければ、
ダブルピーク型のメリットも半減といったところでしょう。

なんでこんな事を思ったか

もっとモノづくりのコツとか、アセンブラのコーディング速度をあげるコツとか、
そういうものを期待した方はごめんなさい。
しかし、実際のところそれらは重要な要素ではあるけれども、あくまで技術として重要なのであって、
プロジェクトとして大事なのはメンバーの多様性を如何にして受け入れて相互作用して共存していくか、
そういうところにあると思うのです。
自分はこれだけ出来ればいい、ではなく、他の人と協調・共鳴しながら何かを創り上げていく。
これがプロジェクトであると私は思うのです。
これを実現するためにはメンバーひとりひとりが
どういう方針を採れば良いのか、という事に関する私なりの結論であります。
もちろん他の結論があってもいいと思います。

最後に

まー、このように偉そうに書いては見ましたが、ある程度は自分の実感、
そして残りは先程も書いたように個人的な反省も込めて書いています。
青二才がいくつかのプロジェクトを通して考えてみた」という感じで、
社会で日々戦っている方々から見たら甘いところもあるかとは思いますが、
どうかお許しください。