Arduino

部活へ行って思ったのですが、中学生に電子工作をやらせるときって何からやれば良いんですかね。
定番はラジオなのでしょうが、ラジオは作ったらおしまいなんですよね。
使えるには使えますが、全くの素人(半田付けをしたことがあるか無いか程度の人)に
作らせるとなると、部品数の多いスーパーじゃなくてストレートラジオになると思うんですよ。
ストレートだとどうしても選択性の面で使い勝手が良くないので、本格的に使うところまで行かないんですよね。
あと、改造のしようがないってのもありますね。
また、このラジオからもうワンステップ、ってなったときに、
なかなか魅力的な物がないってのもあるでしょう。
物心付いた頃から携帯電話orPHSが存在しているような今日日の現代っ子はLM386で作るインターホンでは
満足しないでしょう。(あくまでステップアップの段階において。入門で最初に作るなら良いと思いますが)
と、書いていくと、表題のArduinoが出てくるかなぁと思うわけです。
ちょっとずれてますが、個人的にはArduinoやGainerの様なフィジカルコンピューティングプラットホームは、
「デジタル版マイキット」だと思うのです。
レゴの上級シリーズにある、マインドストーム(私も昔のモデルを持っています)は
ブロックでメカを組み立てて、ソフトも同じようなブロックの組み立て感覚で作り、
ロボットなどを制御する玩具、あるいは物作りのプラットホームとして、
「デジタル版電子ブロック」だと思うのです。
それに比して、ArduinoやGainerは、専用の言語(Wiringなど)を利用してソフトを作るという面で、
若干難易度は上がりますが、それだけ自由度も増します。
この「難易度は少し上がるが、自由度も増す」というのが、
私がArduinoを「デジタル版マイキット」と例えた理由です。
また、前述のラジオ等に比べて、何が良いかというと、
「作ったらおしまい」ではなく、
「作ったら再利用」ができることが挙げられます。
たとえばLEDと抵抗が4つあったとする。
これとArduinoがあれば、簡単に思いつくだけでも、
・LEDが1つずつ光る順次点灯回路
・LEDが2つずつ点滅する交互点滅回路
・LEDが徐々に点滅する電子ホタル(バリエーションとして、LEDの発光色を変えておいて光の三原色の混合で様々な色を作り出すなども考えられます)
と、これだけのバリエーションがあります。
さらに、ここにスイッチを付けたり、トランジスタとモーターや、センサーを付けていけば、
簡単なロボットを作ることだってできます。
また、このときにも、回路をブレッドボード上に作れば部品の再利用は効きますし(これはアナログ回路などにおいても同じですが)、
ステップアップする際にもマイコンの部分はできているわけだから周辺回路分だけのお金で改造ができます。
(作り直すたび1から・・ということはないということ)
このように、考えていることを実体化させるための装置として、
Arduinoなどはかなり優秀だと思います。
今はメディアアートなんかで使われることが多いようですが、
中学生程度での電子工作入門としても最適だと私は思います。
また、Arduinoで限界を感じても、
Wiringは一般的なプログラミング言語に近い(C言語などに近い)そうなので、
比較的すんなりと一般のマイコンでのプログラミング(Arduinoで使っているAVRマイコンにはGCCによるC言語での開発環境があります)
に入っていくことができると思います。
そのような点からも、私としては結構中学生くらいで使うと面白いし、プログラミングの学習にもなると思っています。
ただ難点は価格ですね。
4000円くらいするのは中学生の初期投資としては大きい様な気がします・・
でも良いと思うんだよなぁ、Arduino
私はArduinoのお世話になることなくマイコンへ入ってしまったのですが、
ライターとかいろんな周辺機器作ってミスったりしてるので、あんまり(まともな開発環境が整うまでの)投資額はあまり変わらない気がします。
まぁ個人でやらなくても、授業の一環とか、そんな感じで取り上げたらいいのかも。
と、まとまりのない長文を書いてみました。